早産の赤ちゃんは愛情不足になりやすい?愛着障害との関連性とは
みなさんこんにちは!
胎児発育不全だったため、お嬢を648gで出産したlala♪です!
今回のテーマは「低出生体重児と愛着障害の関連性」についてお話させていただきます。
もし早産児や低出生体重児の育児で悩んでいたとしたら、読んでいただきたいお話です。
インスタでもちょっとした投稿をさせていただいているのですが、今回のテーマをインスタにするか、ブログにするか非常に悩み、ブログでの掲載を決めました。(長くなりそうだったので笑)
いきなりこのテーマを聞いて
そもそも愛着障害って何?
早産児や低出生体重児と、どう関係するの?
と思われる方も多いですよね….!
なぜこのテーマを扱ったかと言うと、お嬢がNICU退院後に心配されることのうち、一つが“愛着障害”だという事実を知ったためです。
理由は語られませんでしたが、ショックよりも、
そっか、なるほど…
と私の中で腑に落ちる部分がありました。
大変な育児を一人で抱えてしまうと、親子関係がうまく築けず、悲しい結果になってしまうことがあります。
そうならないためにも、愛着障害について知ってほしい…!と考えました。
まずは、愛着障害について詳しくお伝えしますね。
目次
“愛着障害”とは
愛着障害は、発達障害や身体的障害のような生まれつきの障害とは異なり、幼少期に保護者と「愛情の絆」が形成されなかったために、抱えてしまいます。
例えば虐待やネグレクトを受けるなどの環境的要因が原因です。(心の傷…といったところでしょうか)
愛着障害を抱えると、自分の感情や欲求を上手に相手に伝えることができず、なかなか他人に心を開くことも難しい状態になってしまいます。
そのため、対人関係や社会生活に問題を抱えてしまいます。
子どもの愛着障害
愛着障害は「反応性アタッチメント障害」と「脱抑制性対人交流障害」の2つに分類されていて、いずれも5歳以前に発症するとのことです。
「反応性アタッチメント障害」
他人を警戒して信用できないタイプ。
笑顔が乏しい、他の子供と関わろうとしない。
症状的に、自閉症スペクトラムと似ているので、愛着障害なのかどうか、判断が難しいことがあります。
「脱抑制性対人交流障害」
反応性アタッチメント障害とは逆に、
他人との距離感が近い、なれなれしいなど。
症状的に、ADHDと似ているので、愛着障害なのかどうか、こちらも判断が難しいことがあります。
2つの分類をお伝えしましたが、自閉症スペクトラムやADHDなどの障害に加え、愛着障害も抱えているお子さんもいらっしゃいます。
出会った愛着障害の子どもたち
私が実際、人生の中で、家庭の事情で親元から離れて暮らす、発達障害のある子どもたちと多く関わってきました。
子どもたちの中には虐待、ネグレクトを受けてきたり、複雑な家庭環境が原因で”愛着障害”を抱えていることが多く、こんな症状がありました。
●他害や自傷行為
自分に注目してほしいためにすることも多い。その他、自分の気持ちをうまく言語化できず、手が出るなど。
●大人の話が信用できない
何度伝えても信じてもらえないことも…。背景に「自分は親に捨てられた、見放された」と思っている子が多い。
●平気で嘘をつく
本人は気付いていないが、嘘をつくときはちょっと様子がおかしい…。また、本人の親が嘘をつく癖があることも多い。
●大人と話す時の距離が近い
話す時に手をつないできたり、ハグしてきたりする子も。
ちなみに、【反応性アタッチメント障害】と【脱抑制性対人交流障害】の両方を抱えているお子さんも多くいました。
早産児や低出生体重児の愛着障害
では、なぜ早産児・低出生体重児は”愛着障害”への危険性があるのか。
私が考える理由を細かくお伝えしていきます。
また、いくつかの要因が重なった結果、育児に支障をきたしてしまうことがあると考えます。
早産児や低出生体重児への虐待、ネグレクト
少し前のデータになりますが…
海外の研究においても虐待を受けている子どものなかで未熟児や低出
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生体重児の割合が 15-30% を占めていたと報告されています。
早産児・低出生体重児の育児は、結構大変なことが多いです…!
さらに正期産のお子さんが当たり前にできることができなかったり、発達がゆっくりだったりしたお子さんに対しては
「なぜこんなこともできないのか」
と自己肯定感を下げてしまうような発言、時には虐待や育児放棄。
世間的には「そんなことしたら、子どもが可哀想…。」だと。
当たり前のことですが、客観的に見ればそれが100%正しいです、絶対に。
ですが、非難覚悟でお話すると、当事者になった私としては、それをしてしまった早産児や低出生体重児のママさんたちの気持ちがとても良く分かるのです。
例えば、育児本の通りにはいかないし、食事もミルクも拒否。
24時間医療的ケアが必要なお子さんもいます。
他のお子さんと交流する場面で、自分の子は他の子と明らかに違う点が浮き彫りになる。
体調を崩してはすぐ入院で仕事もできない。
保育園や幼稚園になかなか入園できない。(断られたり、そもそも行ける状況じゃなかったりする)
自分の思い通りにいかないし、思い描いていた子育てとはかけ離れてしまうこともあります。
出生時の状況から
早産児ママ側の気持ちとしては、正期産のママと比べて異なる点がいくつあります。
①「子どもを生んだ実感がない」
・お腹があまり大きくなっていない時の出産だった
・胎動を感じたか、感じていないか、そのくらいの時期の出産だった
・出産があっと言う間に終わってしまった
・妊娠期間の短さ
など。
私も産後
本当に妊娠していたんだろうか…
という気持ちになりました。
上の子を普通分娩で正期産で出産したので、なおさらそう感じました。
その気持ちに踏ん切りがつかないと、なかなか前に進めなかったり、お子さんと向き合うことができないこともあります。
特に、出産時にトラブルがあったり、お子さんに何か病気、危機があって今後に影響することがわかれば、なおさらのことです。
②産後しばらく離れてしまう
これが早産児・低出生体重児ママさんの辛いところです。
生まれてすぐのお子さんは、NICUに入院してしまうことが多いので、母子が物理的に離れてしまいます。
「お子さんの抱っこも授乳もできず、側に我が子はいない..。」
「育てたのは私ではなく、看護師さんなのでは…」
と考えてしまうことも。
本来であれば愛着形成に必要な時期だったと考えます。
➡(こちらの対策を、病院側でしているところが多いので後ほど紹介します)
※しかし、正直なところ、残念ながらコロナ禍より希薄になっている病院もあります…。
③産後うつ(マタニティーブルー)
「本当に不安だったけど、赤ちゃんがとても可愛かった」という早産児ママさんが多いことでしょう。
しかし、一方で産後うつにかかり、赤ちゃんを目の前にして
全然可愛いと思えない…
というママさんがいます。(実際にいらっしゃいました)
特に、個人的には早産児ママさんは産後うつに注意していただきたくて、様々な感情や思いを一人で抱えがちだったり、不安をため込んだりする環境にいるからです。
産後うつをそのままにしている場合、母子関係がうまくいかなくなってしまうこともありえるのでは、と考えています。
愛着を形成していくには
お子さんが愛着障害にならないためには、ママとお子さんの愛着を上手に形成していくことが大切です。
普通に一緒に過ごしていれば、出産状況がどうであれ、多くのママさんはお子さんとの関係を築いていくことが可能です!
通常であれば、母子の関係がうまくいきそうにないとき、保育園(一時保育を含む)やベビーシッターを利用してリフレッシュしたり、休憩したりすることも有効ですが、早産児や低出生体重児のお子さんの中には、状況によってなかなか預けることが難しいことも…。
もし育児がうまくいきそうにない…と悩んでいる方は、ママの心のケアや、相談を受けてくれる”居場所”を見つけていくことをおすすめします!
例えばですが…
NICUでの取り組み
NICUではカンガルーケアを行っていることが多く、カンガルーケアは、ママが赤ちゃんに愛情を抱きやすくなる効果があると言われています。
以前、早産のリスクに不安を抱えていた聖子さんのお話を書かせていただいた時に、カンガルーケアをした時の感動をお話していただきました。
\こちらも記事もぜひご覧ください♪/
本来は愛着形成に必要だった時期。
できることをできるだけしていきたいですよね…!
その他、NICUでは看護師さんや医師がママの心のケアをしてくれたり、必要に応じて臨床心理士につないでいただくことができます。
産後も、病院に相談することは可能なところが多い印象です!
コロナ禍で面会制限やカンガルーケア中止の病院が多かった中、神奈川県立こども医療センターでは、「親子の関係を築くために大事な時期」を尊重し、面会制限を行っていません。(面会時間のみを制限。)
いかに、愛着を形成するための大事な時期であることがわかります。
↓神奈川県立こども医療センターに関するこちらの記事、大変参考になりますのでぜひご覧ください!
リトルベビーサークル&SNS
出生状況や発達、悩み、医ケア….
同じようなお子さんを見つけることができるのは、やはりこちらの2つ。
他のママさんと交流することで、たくさんの情報や知識を得ることができました。
そして、時には悩みを相談することもできました。
どんな形でも“孤独にならない”ことが大事です…!
地域のサポートを受ける
ここだけの話ですが、お嬢がNICU退院後、育児が大変すぎて
この子、もう私育てられないかもしれない…
と追い詰められて、児童相談所に相談したことがあります。
私の勝手な想像で、児童相談所に相談をすれば、お嬢は児童相談所に預けることになるかもしれないと思い込んでいました。
(ネットにも色々な情報がありましたし…)
しかし、児童相談所も「いきなり連れていくことはしない」ようです。
私の地域は子ども家庭総合支援センター(児童相談所)が子育ての相談窓口になっていて、お嬢の育児を支えてくれたのは、保健所の保健師さんよりも、こちらの担当の方でした。(ちなみに、保健所ではなく、こちらにも保健師さんがいて、家庭訪問で同行してくださいました)
今、環境が変わって辛い…というタイミングに電話をくださったり(旦那の勤務形態が変わる、離乳食が始まる、検査結果が出るなどの状況を察して)、新しい情報があれば手紙で教えてくれたり。
私の心が読めるの!?
というくらい子育てに関することのプロでした。
「もし私が変だったら…」
実は、これが私の中で一番有効な方法だと考えています。
頑張り屋のママさんたちは、自分が育児ノイローゼや産後うつになっていることの自覚がないことも多いです。
そのため、自分がそうかもしれない、そうなるかもしれないという”前提”で
「私が何か変だったら、どこかおかしい、いつもと違う状態が続いていると感じたら
子どもを産んだ病院や保健所(健康福祉センター)などに電話したり、相談したりしてほしい」
と周囲の人(旦那、友人、親など)に予め伝えておくこと。
私の出産した病院では
「旦那さんから『妻の様子が変だ』と相談の電話を受けることがあります」
と話しがありましたし、私の身近で旦那さんが、地域の子育て関係のところに相談しに行った話も聞きました。
私も正直、子育てには自信がありません。
子どもをたくさん傷つける発言や態度を取ってしまって反省の日々…。
だからこそ、周囲の人に「私が変だと感じたら…」と伝えておいています。
まとめ
時々、早産児・低出生体重児のお子さんにイライラしたり、傷つける発言をしたりしてしまうこともあるでしょう。
そんな時は、イライラの原因が直接、早産児・低出生体重児のお子さんだけでなく、他のことで満たされていない可能性もあります。
例えば
・夫婦関係がこじれている。
・旦那さんの仕事が大変で手伝ってもらえなく、育児がワンオペ。
・育児ばかりで、やりたいことが全然できない。
・睡眠不足。
・他の兄弟(子ども)に手がかかる。
・何か他にショックなことがあった、など…。
まずはこちらの原因を突き止めてみたり、解決したりすることもおすすめしたいです。
今もどこかで、育児が上手くいかず、涙を流している早産児・低出生体重児のママさんがいらっしゃることでしょう。
一生懸命頑張っているからこそ辛いので、母親失格だとご自身を責める必要はありません。
お子さんを大切に思う気持ちは、お子さんに充分伝わっているはずです。
今回の記事をぜひ参考にしていただき、
お子さんとの深い関係を、これから少しずつ築いただければ嬉しいです!